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文学部こそ最強の学部である ー 神戸大学文学部人文学科の魅力

公開日:2025.10.26

「実学志向」の時代だからこそ文学部で学ぶ価値がある

                        

現代の大学選びにおいて,データサイエンス学部や経営学部など,いわゆる「就職に直結する実践的な学部」が人気を集めています。確かに,卒業後すぐに役立つスキルを身につけられる学部には魅力があります。

しかし,声を大にして言いたい。文学部こそが人生において最も役立つ「最強の学部」であると。

                                                

その理由を,国立大学の神戸大学文学部人文学科を例に,具体的にお伝えしたいと思います。

                                  

なぜ文学部が「最強」なのか

1. 深い思考力が身につく

文学部で養われるのは,物事の本質を見抜く哲学的思索力です。

例えば神戸大学文学部の哲学専修では,アリストテレスやギリシア哲学から意識と知覚の問題,メタ倫理学,生命倫理学,科学哲学まで,古今東西の思想を学びます。

これは単なる知識の習得ではありません。「なぜ?」「それは本当に正しいのか?」と問い続ける姿勢を身につけることなのです。

ビジネスの世界でも,「問い」を立てる力というのは非常に重要と見られています。

また,AIや技術が進歩すればするほど「人間にしかできない判断」が求められます。

そのとき必要なのは深い思考力であり,多様な価値観を理解する教養です。

これこそが文学部で鍛えられる力なのです。

                         

2. 幅広い教養が人生を豊かにする

確かにデータサイエンスや経営学はすぐに役立ちます。しかし,それだけで人生は豊かになるでしょうか?

あらゆる技術の進歩が早い現代においては,これらのスキルや知識はすぐに陳腐化してしまいます。

しかし,文学部で学ぶのはこれまで人類が積み重ねてきた人間の営みのすべてです。

文学,歴史,言語,芸術,心理,社会——これらの学問は人間とは何かという根源的な問いに向き合うものです。

人間をやめない限り,人間の営みというのは普遍です。

                                  

神戸大学文学部では平家物語や昭和文学,シェイクスピア,ゲーテ,フランス現代文学といった世界の名作を読み解きます。鎌倉・室町期の政治史,古代ギリシア史,ロシア近現代史を通じて人類の歩みを学びます。認知神経科学や社会心理学で人間の心の仕組みを探究します。

これらの学びは,一見「すぐには役立たない」かもしれません。

しかし,数十年と続く人生において,あなたの判断を支え,視野を広げ,人生を深く味わう基盤となるのです。

大学では時代によって変化することのない深い教養と思考力を身につけた方が長い人生を考えればお得と言えます。

                                                                               

3. 実は就職に強い

「文学部は就職に不利」——これは根拠のない俗説です。

確かに文学部には,法学部のように弁護士や法曹,経済学部のように銀行などの金融といった「わかりやすい出口」はありません。

しかし,それは逆に言えば文学部はどの業界にも進めるとも言えます。

文学部で培われる論理的・哲学的思考力,文章力,異文化理解力は,あらゆる職種で求められるスキルです。

                          

企業で必要な知識・スキルは企業研修やOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)で入社後に学べます。

学生はついつい目先のスキルや資格取得を考えがちです。しかし,そうした資格を取得していることより,文章読解能力や文章作成能力,思考力のある学生の方が就職戦線では強いのは働いている方ならば納得できることでしょう。

                                      

神戸大学文学部の「王道」としての魅力

近年,多くの私立大学では心理学部を独立させたり,文学部を細分化する傾向があります。

しかし,神戸大学文学部人文学科は文学部の伝統的な「総合性」を守り続けている点が大きな魅力です。

                               

すべてが揃う「知の総合デパート」

神戸大学文学部人文学科では,以下のような驚くほど幅広い分野を学ぶことができます:

                                     

  • 哲学専修: 西洋哲学から倫理学、科学哲学まで
  • 文学専修: 日本・中国・英米・ドイツ・フランス文学を網羅
  • 歴史学専修: 日本史・東洋史・西洋史の三本柱
  • 心理学専修: 認知神経科学、社会心理学
  • 言語学専修: 統語論、音声学、意味論
  • 芸術学専修: 建築学、デザイン学、表象文化論、芸術史
  • 社会学専修: 家族変動論、マイノリティ研究
  • 美術史学専修: 西洋美術史、日本近世絵画史
  • 地理学専修: 日本の港湾の戦後史
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これだけの分野が一つの学部に集まっているのです。

                                  

学際的な学びが可能

文学部が「総合」であることの強みは専門の壁を越えた学際的な学びができる点です。

例えば,フランス文学を専攻しながら,美術史でフランス印象派を学び,哲学でフランス現代思想を学ぶ。

日本史を専攻しながら,国文学で軍記物を読み,社会学で家族制度の変遷を学ぶ。

このような学際的なアプローチによって,一つの事象を多角的に理解する力が養われます。

これは,複雑化する現代社会において必須の能力です。

                       

図書館にこもるだけではない,アクティブな学び

「文学部=図書館で本ばかり読んでいる」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

実際には,言語学専修では日本各地に飛び回って方言調査を行いますし,地理学専修では港湾都市をフィールドワークします。社会学専修では実際にフランスに渡ってイスラーム教徒のコミュニティを調査する研究もあります。

文学部の学びは文献研究だけでなく,現場に出て,人と出会い,社会を肌で感じる学びでもあるのです。

「文学部で学びたい」という明確な志を持つ受験生にとって、絶好のチャンスと言えるでしょう。

                               

まとめ:文学部で学ぶことは、一生の財産になる

データサイエンスや経営学は,確かに現代社会で需要の高いスキルを身につけられます。しかし,それらのスキルは,10年後もしくは20年後には陳腐化しているかもしれません。

一方,文学部で学ぶ哲学的思索力,歴史的視座,文化的教養,人間理解はどんなに時代が変わっても色褪せることのない一生の財産です。

AIが人間の仕事を代替していく時代だからこそ,「人間とは何か」を深く考え,多様な価値観を理解し,複雑な問題に向き合える人材が求められます。

                        

文学部こそが,そのような人材を育てる「最強の学部」なのです。

神戸大学文学部人文学科は、伝統的な文学部の「総合性」を守りながら,哲学から心理学,地理学,美術史まで幅広く学べる,まさに文学部の王道です。

受験生の皆さん,そして保護者の皆様。ぜひ,文学部という選択肢を真剣に検討してみてください。そこには,人生を豊かにする学びが待っています。

                      

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