雨に田んぼで「雷」 何故なのか?【岡村予備校】
暑いですね。
関東の方ではゲリラ雷雨が発生しているようですし,東北地方では大雨でとんでもないことになっていますね。
ところで,「雨冠に田」と書いて何故「雷」なのでしょうか?
また,雷を稲妻,あるいは稲光(いなびかり)と呼ぶのは何故なのでしょうか?
どちらも日本人の主食であるお米に関わっていますね。
植物は光合成によって空気中の二酸化炭素から栄養素のC(炭素)をとり込み,呼吸によってO(酸素)をとり込んでいます。また,根っこから水を吸収することでH(水素)をとり込んでいます。
炭素・酸素・水素をこれでとり込めたのですが,生物としてはこれだけの元素では生きていけません。
特にN(窒素)は植物の成長にとって非常に重要な元素です。
現代では農業において化学肥料として窒素を与えて農作物を育てていますね。
しかし,昔は化学肥料はありませんでした。
では,どのようにして植物,農作物は窒素をとりこんでいたのでしょうか?
答えは空気中の窒素からです。
空気の約8割は窒素でしたね。これを使わない手はありません。
ただし,植物は空気中の窒素を直接とり込むことはできません。
そこで雷なのです。
雷によって空気中の窒素は電気分解されてイオンになります。
そして,イオンとなれば水に溶けますので,土中の水分に溶けて植物が根っこから水分を吸収することによって窒素をとり込んでいるのですね。
夏に雷が多くなると,大気中の窒素がよく電気分解され,農作物,ひいては田んぼの稲に窒素が供給されることで豊作となるのです。そして,秋には稲がよく実り,キラキラと光るのです。
稲が光る。まさに稲光なのですね。
昔の人は経験則でこうしたことを知っていたのでしょう。
中学の理科の窒素循環のお話しですが,高校生物でも習いますね。
教材はそこら中にあるのです。
ただ,この暑さで外に出かける気にはなれないのが・・・。
【岡村予備校】