中学受験のおすすめ

今年度もあと1ヶ月で兵庫県の私立中学統一受験日です。何年もこの日を目指して勉強を頑張ってきた小学6年生がたくさんいることでしょう。

でも中学受験というと眉をひそめる人もいるようです。親の見栄のために虐待まがいの勉強を子供に強制していると思われているのかもしれません。

子供の成績や志望校の話を親同士の話題のネタにする心理は別として、肝心の子供の気持ちはどうなのでしょう。ハードな勉強でも意外と楽しんでいるかもしれません。実はスポーツや遊びに夢中になるのも、勉強に明け暮れるのも子供にとっては同じことなのです。気の毒がる必要など全くありません。

公立中学に進学するのが当たり前というのが一般的な考え方かもしれませんが、私立中学に行かせるなんて考えたことも無かったという親御さん、経済的な負担さえなければ行かせたいという親御さん、子供が受験したいのであれば、経済的な無理をしてでも挑戦させたいという親御さん、十人(家庭)十色なのではないでしょうか。

ところで何のために中学受験をするのでしょうか。私は受験勉強って子供の成長に必要なもの、子供がたくましく、健やかに成長するために必要なものだと思っています。

確かに中学受験は大変な負担を子供や親にかけますが、受験勉強はより良い成長を助けてくれます。高校受験や大学受験を経験した方であれば、受験勉強でどれほど人間的に成長したかわかる方も少なく無いと思います。受験勉強を食事にたとえればカップラーメンよりも栄養のバランスがとれたもののほうが成長を助けてくれるのと一緒です。でも365日の3食とも栄養バランスのとれた食事にしようと思ったらすごく大変ですよね。だから中学受験も大変なんです。とはいっても嫌いなものを無理やり食べさせたり、したくも無い運動を無理にさせても精神的な成長には逆効果なように、中学受験も本人がしたくないならさせないほうがよいでしょう。

中学受験に前のめりなご家庭は別として、親がその気でも無いのに子供が中学受験したいといったときはどうすればよいのか考えてみたいと思います。まず経済的な話ですが、実際に私立中学に行けば経済的な負担は大きいけれど、それでも高級車1台分くらいです。無理をすれば行かせることができるご家庭もあるのではないかと思います。子供が中学受験をしたいといっているが、経済的な理由ではなく近所に良い私立中学が無いということであれば、通学の負担を考えて、通うことは不可能でも、合格する学力を付ける努力はとても貴重なことだと思います。通えないのに受験をするなんて無駄だと言われそうですが、良い学歴を得るためでなく、努力することの大切さや気持ちよさを子供に知ってもらうために勉強をしてほしいのです。偏差値や志望校合格判定を見て、自分の頑張りを客観的に測って更に努力する気持ちが沸いてくる感覚を味わって欲しいのです。

この時期の中学受験生を見ていて、すごいと思います。塾での勉強だけでなく家でもたくさん勉強します。問題を解く力がぐんぐん伸びていく、気持ちが前向きになっていく、精神的に大人に成長していく。中学受験の担当教員であれば、本当に中学受験に関われてよかったなと思える瞬間です。

中学受験は、受験しなければテレビを見たり、ゲームをしたりして使っている時間、人生で一番成長する時期の貴重な時間を有効に使えるものだと思います。中学受験生に幸あれ。

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