宗教・習俗

文系科目では、ときどき宗教に関わる行事などが話題とされることがあります。

我が国は一応仏教国と言っていいと思います。当然、仏教に関係のある事柄が多く取り上げられます。そんなとき、「あなたの家の宗派は?」と聞くことがあります。

たいていの生徒は、「何それ」「知らん」のオンパレードです。

日本人が宗教に恬淡で、外国人から奇異な目で見られるなどということはよく見聞きするところですが、そのような段階を超えて、伝統的に行ってきた宗教的な行事について何も知らない人が、これからは増えていくのかもしれない、と不安を覚えるところです。

宗教の効用は、一つには「千差万別の個人が相互に理解するための端緒となる小さくない公約数」ではないかと思います。そういうものを失ったとき、それは「自然状態」に近づいていくのでは、と危惧します。これまでのような安定的な社会ではなくなっていくかもしれません。

また、宗教的なことだけでなく、総じて年中行事などの習俗が徐々に廃れつつあることが、特に人文・社会科学への導入を困難なものにしているように思います。同時に、語彙の弱体化も招いていることを感じます。語彙はとりもなおさず情報ですので、学業に留まらず、社会人としての能力にも大きな影響を与えるでしょう。

知識だけに偏ると創造性に欠けた人間になる危険があると思いますが、最低限の知識もなく論理は育たないとも思います。多様な情報を浴び続ける環境が、教育には重要ではないでしょうか。

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