何を教えるかということ(講師Oの場合)
先日、同じタイトルでT先生の考えを開陳されましたが、今回は、私Oの考えを少し述べたいと思います。
まず、「何を教えるか」という問いに対する答えではないということを断っておきますが、
私の理想とするところは、「何も教えない」ことです。
私たちはテストを受ける生徒の横に立って、常に助言し続けることはできません。
自分の力で正解を導き出すしかない以上、勉強というものはつまり、「考えること」に外ならないと思うのです。
ですから、私たちがするべきことは、正解を効率よく導くための「考え方」を示唆することであると考えています。それをもとに、自分なりの答えを導き出すことが、何よりも大事です。
孔子の言行を収めた『論語』という書物に、「憤せずんば啓せず、悱せずんば発せず、一隅を挙ぐるに、三隅を以つて反せずんば、則ち復びせざるなり」という言葉があります。
平たく言うと、「ヒントが与えられたならば、それをもとに考えに考えて自分で答えを出さなければいけない」ということです。
「考える」習慣を身につけさせることを第一とすべきだと考えています。講師の仕事は、「一緒に考えること」でありたいと思います。